りきがく研究会

物理や日常で気になったニュースについて書きます。Twitterでも発信してますが、Twitterでは語り尽くせないことを記載します。話題は当分の間古典力学ですが、気になったらニュースも。

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序論及び時間に依存する摂動(定数の変化) (G.11-1および11-2  原著第2版)

11-1  序論 および11-2  時間に依存する節郎(定数の変化) (G.11-1 及び11-2  原著第2版)

 おばんです。

前章の10-7で扱ったKeler問題は、重力のような1/r の形をした力を受けて運動する物体を扱ったもので答えを書き下すことができました。
それでは、相対論的な効果を考慮したとか、違った中心力を受けたなどの理由で重力の形がほんの少しだけ変ったらどうなるの?
強調文その答えを与えてくれるかもしれない摂動論のお話です。
今回も教科書の解説を読んで感じたことを書いていきます。摂動論の基礎方程式の導出過程の詳細は教科書読んでね。

【摂動論の考え方】
  今回はこれだけですな。一言で言うなら、重力の変化の程度がもともとの大きさと比較して小さい場合は、Hamiltonの主関数
 はそのままとしてそのままとして近似解を得ようと言うことですな。
 ”そのままとする”事は変化が微小だから正しそうではありますが、完全に正しいかどうかの評価は例えば実現象と比較する
 などして事後の評価が必要でしょうね。
 もちろん理論解があれば厳密解との比較も可能ですが。
  20年前の教科書を見ると、11-2の最初の1ページにわたり一般論がかいてありますが、後に続く動きながら振動する粒子
 に関する例題を見ると、ああこういうこと言ってはるのか となると思います。
   すなわちもともと自由運動している粒子にバネか磁力かなんらかの微小な力が加わると言う例題です。
 ハミルトニアン(=粒子のエネルギー)は以下のようになります。

    H’ = H + ΔH
     = p2 / m / 2 + m ω                  (1)、
     ただしΔH: Hamiltonain の微小変化量、
           p:運動量、
          m:粒子の質量、
          ω:振動の各周波数、

 右辺のHが自由粒子の運動エネルギー、ΔHが振動のエネルギーで全エネルギーH’は両者の足し算になります。
 さらに式(1)のHとΔHを比較した場合、Hが断然大きい事が条件です。
  ではどのくらい多い必要があるのか?2倍はたまた1000倍?
 その解はおそらくありません。両者の大きさに1000倍違いがあるほうが2倍の場合に比べて解の精度が高くなる事は言えます
 が、両者に2倍程度しか開きがない場合に摂動論を適用したら間違いかと言えばそんなことはありません。
 ただ厳密解または実験事実と照らし合わせて精度の評価は必要ですね。
   次はHamiltonian H から K の正準変換に移ります。
 摂動前後でHamiltonの主関数Sが変化しない前提ですから、Kは以下のようになります。
  
   K = H + ΔH + ∂S / ∂t 
     =ΔH                           (2)

 なぜかって、Sは K = H(q、∂S/∂q) + ∂S/∂t ≡ 0 を満たす答えですから。
 詳しくは10-1の式(2)または10-7   の上の方に書いている知識の整理を参照ください。 


つづく         
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  1. 2015/06/11(木) 00:55:42|
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Hamiltonian-Jacobi の理論、幾何光学および波動工学 (G.10-8  原著第2版)

10-8  Hamiltonian-Jacobi の理論、幾何光学および波動力学 (G.10-8  原著第2版)

 おばんです。
今回は、10章で古典力学の範疇で扱ってきたHamiltonの主関数 S 、Hamiltonの特性関数 W と幾何光学や量子力学の関連についてのお話でした。
確か高校3年生くらいの物理で習う電子の運動を波として捉えることもできる事も、卒業後に出てきたシュレディンガー方程式も唐突に感じたのを覚えていますが、電子みたいな粒の運動がどうして波と捕らえることができるのか、また古典力学と量子力学の基本式であるシュレディンガー方程式の関係を理論的に解説してあります。詳しくは教科書をご覧ください。

◆幾何光学との関係
  電子のような粒を対象として10-210-3で導出したHamiltonの主関数S、特性関数Wに波の性質があると言う話です。
 Sは座標と時間の関数なのである時刻 t でのS(x、y、・・、t)= a =一定のラインを座標上にプロットし、次に少しだけ時間が経過したt=t+dtでのS = a のラインを描き並べてみると、S = a のラインが時間とともに移動しているように見えます。イメージを図1にまとめました。波に見えて来ましたか?

図1 粒の運動を記述する主関数Sが伝播する様子
 図1 粒の運動を記述した特性関数S= a(一定)が波のように伝播する様子

 波に見えてきたならばSは波動方程式の解である式(1)の指数の肩の部分、位相に対応しそうですね。

    φ= φ0 exp ( i・k0(L-ω・t) )、
     = φ0 exp ( iS ) ?              (1)
    但しS=W-Et (10-2の式(3)、(4)参照)

  さらに踏み込んで、Sの構成要素であるWの話に移ります。
 Wを求めるHamilton-Jacobi方程式が幾何光学のアイコナル方程式と似通っていると言う話です。
 10-3で粒子に対して導出したHamiltonの特性関数 W を用いてエネルギー保存則を書くと以下になりますね。

    mv2/2 + V,
    = (∇W)2 /2m + V、
    = E                                 (1)
     但し mは粒の質量、vは速度、Vは引力などのポテンシャル、WはHamiltonの特性関数、

 一方幾何光学のアイコナル方程式は以下の式(2)です。

    (∇L)2 = n2、                    (2)
     但し Lは波φの位相 φ= φ0 exp ( i・k0(L-c・t) ) 、nは屈折率

 式(1)の2段目3段目と式(2)をよく見比べてみてください。似ているの分かりますか?
 Sの構成要素であるWは幾何光学Lと同じ形をしているのです。
 ここで式(2)は元々の幾何光学の方程式を、一部の項をある条件を使って落として簡単にして得られていること
 に注目です。
 粒に対して得られる式(1)が、幾何光学の式をある条件のもとに簡単にした方程式と同じ形になるということは、
 粒子の方程式は幾何光学の範疇に含まれることを示しているのです。
 
 アイコナル方程式を得る際に用いたある条件とは、”光が通る媒質の屈折率nが変化するスケールが波の波長に対して
 長く一定とすること
”です。
 平たく言えば、k がかかった項は他の項に比べてダントツで大きいと言うことです。
 さらに幾何光学の式(2)の屈折率nと式(1)の {2m(E - V ) }1/2 は対応関係にありますから、nに対する
 制約はVに対して制約を加えることを意味します。
  ある条件を使って簡単にした結果式(2)はズバリ平面波ですね
 式(2)の結果、光の特徴である性質、(i)光路が一致、半波長または1波長だけ異なる光が重なり合うことにより
 波長程度 のスケールで明暗の干渉縞が発生する現象や、
 光がピンホールを通るとき回り込んでピンホール周辺も明るくなる回折等の波長程度の現象の解析が不可になります。
 何か不思議な感じがしませんか?
 
  ここまで読んでも粒の運動を波と考える事には強引な感じを持ちます。
 それは、図1でS = 一定のラインが伝播するところで実態が分からないからです。
 普通の波だったら、微小な変位δxがあってδxが波動方程式に従いますとなるのですが、Sの場合は何者なのか
 分からないが何か波的な性質を持つものの位相
を示すらしいことから出発しているからです。
 次の量子力学との関係ではその辺がクリアになるかな?
  
◆量子力学との関係
  短波長の極限でシュレディンガー方程式はHamilton-Jacobiの方程式と同じ形になるという話。
 ψ=ψ exp (i・S/h-) (但しh-=h/2π)から出発して但しψの物理的意味には触れず。。。
 やっぱψに立ち入るのは古典力学の範囲からは逸脱するんですかね。
 詳しい解説は教科書を参照ください。
  ところでシュレディンガー方程式がHamilton-Jacobi方程式の形が同じになる前提である、p=∂S/∂x のスケール長
がλに対して長くなると言うのは大丈夫?
 
       λ・(1/p)・(∂p/∂x) ≪ 1、              (3)
       但しp=∂S/∂x、S=W-Et = L・h/λー hνt   (4) 
          SはHamiltonの主関数、Wは特性関数、hは比例定数、Lはアイコナル方程式の解、Eはエネルギー
          νは振動数

 式(4)と式(2)を使って愚直に計算して見てください。
 因みに式(4)のLにかかっているh/λ~1です。それは何故かと応えたら高校3年生で習うようにp=h/λであるから
 です。

◆最後に
  粒子の波動性の話の話はここで止めときますが、この辺の研究はずいぶん前になされているので調べれば理論なり
 実験の成果鳴りが出てくるでしょうね。おいさんは知りません。
 ここでネチネチ考えるよりまずは巻末問題を解きましょう。面白いものがあったらまたブログに上げます。
 
 (2015年5月20日)
  1. 2015/05/16(土) 23:44:28|
  2. 科学・物理
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雑談

雑談

 8ヶ月ぶりのご無沙汰です。今回は物理の話からはずれてちょっと雑談。
週末を中心に活動しているりきがく研ですが、この8ヶ月週末は何してたかって?
9割遊び、その他残りちょっとだけ仕事してました。
夏はホタル取りに行ったり、秋は山登ったり。その一端を写真でお見せしましょう。
写真は大きく表示され見づらいので興味ある方はクリックしてご覧ください。
要するに皆様のお陰で健やかにすごさせていただいている次第です。 
あ( ̄○ ̄)り( ̄◇ ̄)が( ̄△ ̄)と( ̄0 ̄)う( ̄ー ̄)

某N潟県のホタル

山頂その1
某観光地の絶景

ブログを更新しなかった8ヶ月間、誰も困る人いないしこのまま消滅しても良かったのですが
自分がどんどんパカになっていくし、雪国の田舎町に住む貧乏なおいらだと飲みに行くお金
もないし、家で本読むくらいしかやることなくてね。

まっ、暇な人はお付き合いください。


  1. 2014/12/14(日) 14:29:26|
  2. 一休み
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Kepler問題の作用―角変数による取り扱い (G.10-7  原著第2版)

10-7  Kepler問題の作用―角変数による取り扱い (G.10-7  原著第2版)

 こんばんは、りきがく研です。
今回は前回10-6をKepler問題に適用しようとするものです。

 Kepler問題とは9-7 でもご紹介したように、皆さんおなじみの大きさが距離の2乗の逆数に比例するような力を受けて運動する場合です。
地球などの惑星の運動も近似的には該当します。
惑星の動きは言わずと知れた周期的な楕円運動で、球座標(r、φ、θ)の3つの座標を時間の函数として解くと、3つの周期は等しく2重縮退しています。
これを数学で力ずくで説く方法と、もう一個別の方法で導いています。
さらに縮退関係を利用してある作用ー角変数の組(w 、J )からまた別の作用ー角変数 (w' 、J' )の変換を導入します。
この新しい組が20世紀初頭の量子論で活用されたとの事です。
作用ー角変数から別の作用―角変変数への変換をしているので訳分からなくなると思いきや、新しい作用ー角変数のイメージについても解説があってグー。
詳しくは教科書で勉強してくださいね。でへへぇ。
本ブログは教科書を読んで気づいたこと、思ったことを書くというものなのですよ。とは言うものの何書くかな。

(w' 1.J' )の物理的な意味について
 ( x、y、z、px、p、p )または(r、φ、θ、p、pφ、pθ )などの一般化座標、共役な運動量を ( wx、w、w
Jx、J、J ) または ( w、wφ、wθ、J、Jφ、Jθ ) などの角変数、作用積分(wについては10-5 の式(2)、(3)を同時に満たすもの、Jの定義は(1)参照)に変換し、更に母関数F (q、J)を使って別の作用積分 ( w'1、w’、w’、J'1、J’、J’ ) に変換しようとするものです(F (q、J) の詳細は教科書の前節の最後の方を参照ください)。
w'i、J'i の幾何学的な意味については教科書の解説を参照してもらうこととして、ここではw'i、J'i を導入するに至る背景というかいままでの知識の整理をしたいと思います。
結論から言うと運動の軌道を求める上では ( wi、Ji )より( w'i、J'i )の方が都合がよいということになるかと思います。
おそらくw、Jでは運動の軌道を求める事は困難でしょうね。

 それでは知識の整理から始めましょう。
10-1でHamiltonianをH(q、p)からK(Q、P)(≡0)に変換する母関数S(Hamiltonの主関数)を求めることを考えました(Hamliton-Jacobbi方程式)。
母関数S(Hamiltonの主関数)が求められるとKの引数Q,Pは、Kが恒等的に0であることから正準方程式(10-1、式(10-1))より定数になります。
10-3で導入されるHamiltonの特性関数 W (小文字wは角変数、間違えないでね)は、Hamiltonianが陽に時間に依らない場合にSが座標のみに依存する関数と時間に依存する関数に分離でき、座標のみの関数部分を指すのでSの特殊なケースと思って良いでしょう。
ここで 変換後に0 でないHamiltonianが登場します。K=E(=一定に保存されるエネルギーです)。
但し扱っている題材は10-2と変わりなく一次元振動子です。
SやWを求めた具体例は、教科書の10-2(一次元振動子)、10-4(中心力を受けて2次元運動する場合)に記載あります。
さらに周期的な運動に対する(Q、P)として10-510-6で3次元球座標r、φ、θに対して角変数 w、作用変数 J が導入され、さらにさらに 9-1 で解説した正準変換の母関数 F を用いて(w、J) を (w’、J’)に変換するという流れです。
  さてでは何故わざわざ(w’、J’)を考えるのか?一つには軌道が決定できる事が上げられるでしょうね。
軌道を決めるには3次元の運動の場合、変数が(r、φ、θ、p、pφ、pθ )と6個あるので、エネルギー保存則など5個の関係式を足し算引き算掛け算して求めます。
つまり保存されるエネルギーなど定数が5個必要と言うことです。
(w、、J)の場合、3個の w と3個の J の中から5個をチョイスするのですが、HamiltonianにJ、Jφ、Jθ が含まれているので、共役な角変数 wi がどれ一つとして定数にならず時間に依存します(正準方程式 dwi/dt = ∂H/∂Ji≠0 )。つまり定数は3個。
一方(w’、J')をチョイスすると、Hamiltonianに含まれるのは、J’3のみですから、w3 以外の5個は定数になり、めでたく軌道の式が得られると言うわけです(正準方程式 dw’i/dt = ∂H( J’3 )/∂J’i=0 但し i =1、2 )。
各定数の幾何学的な意味は教科書に懇切丁寧に解説してありますのでそちらを参照ください。
 本筋の話はこれくらいにしてHamilton-Jaccobiの式( 10-2、式(10-16))や( 10-3、式(1)) だけでSやWが求められるのか?と言うことがいつもきになってました。
というのは、Hamilton-Jaccobiの式はS(q、J、t)、W(q、J)のtまたはqに対する依存性しか規定していないので。
具体的にSやWを求めた10-2や10-4では、Hamiltonianが時間に依存しない性質、座標がサイクリック、エネルギー保存則の性質からいつの間にかJを含むS、Wが導出されています。
本文では特殊な場合をあつかっているのか?その答えは、巻末問題を解きましょう!


2.Hamiltonianを力づくで求める方法(留数を用いる方法)
 これはもしかしたら直ぐには結論が出ないかもしれません。今必死にいまは懐かしい一般教養で使った複素函数論を復習してます。。。。。といってからほぼ1年遊びほうけてました。ねちねち考えた結果を以下に記述します。おいさんは専門家でもましてや教師でもないので、鵜呑みにしないでよく吟味すること。万が一間違っていても責任取れないからねっ。

いまさらですがどんな問題であったか再確認。
【問題について】
 図1のような太陽からの重力の影響を受けながら運動する惑星について式(1)の積分を求めるものでした。

10-7図1.問題設定
 図1.問題設定

   Jr 
      = ∲ pr dr、
      = ∲ {2mE +2mk / r - (Jθ + Jφ )2 / (4π2 r2 )}1/2 dr                   積分する範囲は太陽からの距離rが r → r → r1 と変化する一周期、
        p ;r方向の一般化運動量                (1)
   
式(1)をSommerfeld大先生は複素積分の留数の定理を使って解いたそうです。用いるツールについて説明しますがはっきり言って面白くありません。興味ない人、もう知っているという人は【式(1)への適用】まで無視してください。
 ・Rieman葉
 ・コーシーの積分定理
 ・留数定理

 ちなみにおいさんが使っている教科書は、
 ・参考文献1:学術図書出版社 基礎課程 関数論 第1版4訂 遠木幸成他、
   第三章 正則関数および第4章 有理型関数
 ・参考文献2:倍風館       演習店複素関数論 初版     青木利夫他、
   第一章 §4 n剰根とRiemann面

それでは順番にご説明しましょう。
 【準備1:リーマン葉について】
   複素数 f は、皆さんご存知のように以下のように指数でも表現します。図的には図A-1参照。

   f = e                        (A2)

複素平面

   図A-1 複素平面 

  図A-1から分かるように、θ=0と2πの点はx、yで表すとどちらも同じ x = 1 になりますね。うん?本当に同じですか?

   f = e i2π、                         
    = 1                         (A3)
 
  おいさん分かりません(笑)。ただ以下に示すように区別しないといけないことは事実です。
   式(A3)の第2項と第3項をそれぞれ平方根をとりましょう。

   g = ( e i2π )1/2 = (1   )1/2 × e      (A4)
              = (1   )1/2           (A5)                    
  
  式(A4)は計算すると、

   g = ( e i2π )1/2  = e   =-1            (A4)

  つまり(A5)の赤字の等式は成り立たちません。複素数を(A2)のように指数表示をした場合に x、y座標上の1点対応
 するgと、原点Oを中心に1回転して(θ=2π)した同じx、y座標に対応するgは異なるのです。
 
 3Dイメージで表したのが図A-2。
 x、yとして図A-1と同じように実軸、虚軸をとり、高さ方向に g の値を書きました。実軸上の x=1に注目すると、θ=0
 では g =1だけど、一周した同一のx=1ただしθ=2πではg = -1になるとです。これはx=1に限らず、x≧0の実軸
 上の全ての点に言えることで、A-2のように段差ができるとですよね。更にθを増加させると実軸だけでなくほかの点
 でも1周すると値が異なることが確認できるとです。

 zの平方根

 図A-2 gの値は実軸上( x ≧ 0)で段差ができる。

  図A-2みたいな段差は値が不連続であり微分が不可能扱いが難しいので段差を解消するために登場
 するのがRiemann葉です。
 ざっくり言うとx-y平面を1階と地下1階の2階建てにして階段で結ぶイメージ。詳しくは参考文献を参照ください。
  さて式(A4)から派生した以下のような式(A5)のhに対応する3D図は図A-3になります。式(A5)の場合も e i θ - a
 が1回転した場合に図A-2と同じように段差ができます。ただし図A-2と違うのは回転の中心が原点ではなく点 a
 である点です。これも詳細は参考文献2で勉強してください。

   h = ( e i θ - a )1/2                                              (A5)、

   z - a の平方根

   図A-3 関数 h のイメージ図。複素平面上の点 a を中心に段差ができる。

 【準備2:Cauchyの積分定理】  
   図A-4のループCに沿って線積分をすると値が必ずゼロに成ると言うものです(式(A6))。
 ただし条件が1つあってループCに囲まれる領域内に段差があったらダメ、また微分ができなくてはなりません(業界用語で正則と呼びます)。

    f(z) dz = 0                (A6)

 条件が揃えばループが囲むループが大きかろうが、小さかろうが関係ありません
 余談ですがおいさんは二十歳くらいのときに参考文献1を教科書として学校で習ったのですが、この定理の証明が終了
 した時点で担当教官が後は自習しておくようにと宣言したのを鮮明に覚えております。
 次に出てくる留数定理はCauchyの積分定理までに出て来た知識を応用したものであると言うことが言いたかったので
 しょう。

   Cauchy の積分定理のイメージ

   図A-4 積分定理のイメージ

 【準備3:留数の定理
  積分をしようとしたときにループCの内部領域に、準備1で説明したような段差があったりとか、値が∞になってしまう特異点が
 ある場合など都合が悪い領域を除対象からはずしてしまえば再び式(A6)が成立します(図A-5)。

    f(z) dz - C1 f(z) dz - C2 f(z) dz - C3 f(z) dz = 0   (A7)、


 従って以下の式(A8)が成り立ちます。積分の前に負の符号がついていますが、例えばCなどのループに沿って積分を
 する場合は進路に沿って対象の領域を左手に見る方向を正の向きとするルールがあるためです。
 図A-5を見るとC1、C2は対象領域を右手に見る方向ですよね。
 (A7)を(A8)に書き換えると以下の留数の定理になります。

    f(z) dz = C1 f(z) dz + C2 f(z) dz + C3 f(z) dz        (A8)、

 Cauchyの積分定理(領域内に値が∞の特異点や段差がある場合)

 図A-5 留数の定理イメージ図

 【式(1)への適用】
  さて上で準備した3つのツールを使って式(1)を解くことができます。(と思ってます。) 
 と言ってもほとんど教科書に書いてあるのでここではおいさんがこの数ヶ月悩んだ末の結論を書きます。
 
 ◆積分範囲は正則か?
   式(1)で求めるJは図2で青線で記載したループCに沿った積分です。
   Cに沿った積分を考えるために、特異点である原点Oを取り囲むCと、CとC全体を取り囲むCのループを考えます。
   そうすると準備2で説明したCauchyの積分定理を適用するにはC、C、Cで囲まれる緑色の領域内に段差がない
   こと、微分ができること
が要求されます。
   すると図2で赤枠で囲った領域に段差がないのか?と言うことが気になりませんか?

   なぜなら図A-2、図A-3の切れ目はそれぞれ原点、点 a から x 軸に沿って無限に伸びているからです。
   段差があればもちろんCauchyの積分定理は適用できなくて計算は困難になります。

    Jrを複素積分で求める場合

    図2.式(1)の Jr の計算に複素積分を用いる場合

    ただ以下に示すとおり式(1)を調べると段差は rから r までのラインだけで r より先には伸びません。
   そもそも図A-3(もちろん図A-2も)で段差が生じる原因は x 軸上の同じ点でも 1 周して(θが0→2πになる)ためです。     
   (A4)と(A5)を比較してください。(A4)は(A5)にe (= -1) を掛けた形になっていますね。
   だから図2の赤線で囲った部分のθを見ればよいわけです。
   式(1)のルートの中を分かりやすいに書き換えます。

     pr = {2mE +2mk / r - (Jθ + Jφ )2 / (4π2 r2 )}1/2
          = {(1/ r - 1 / r ) × (1/ r - 1 / r )}1/2 × (Jθ + Jφ / (2π)、
          = (1/ r - 1 / r )1/2  (1/ r - 1 / r )1/2 × (Jθ + Jφ / (2π)     (1)’
     ただしr、r は図1に示す軌道の最小、最大半径
   
    (1)’中の色をつけた部分はr、rで0になります。図1の惑星が半径 rからr再びrと軌道半径を変えながら運動
   する場合で説明すると、半径がr、r2 になった時に半径r方向の 一般化運動量 pr は0になる事に対応します。
   式(1)’は準備1Riemann葉で説明したルートの掛け算になっています。
   式(A6)の掛け算と考えて模式的に書いたものが図3です。図3の赤ラインを引いた部分に注目してください。

   ルートの掛け算のイメージ図
   図3.ルートの掛け算1
   式(1)’の青字も赤字は個別nは1周しても式(A4)で説明したとおりθ がπになり元のθ=0の値にー1を掛けたもの
   になりますが、赤字と青字の掛け算となると-1×ー1となり元通りに戻るつまり
段差はできません。   
     一方、図3のr < b < r のようなb(青字でライン下部分)に注目してください。(1)’の青字は段差がありますが、   
   赤字は段差がありませんので、赤字と青字の掛け算全体で見ると段差ができます

   以上が < b < r の部分だけで段差ができる事説明になります。
  
  ◆図2を見るとr―rのラインに対して青線のループはラインを囲むように広がっているが
    良いのか?
   式(1)の積分のループは図1の半径 r→r 2 → rですが、図2のループ
   Cが r→r 2 → rを囲むように広がっておりますが問題ありませ。
   準備2のCauchyの積分定理でのべたように積分の結果は積分Cの大小に関係あり
   ません
でCがr―rのラインを含み形になていればよいのです。
   気になるようでしたら図2の青線のループCを r―rのラインに向けてグッと縮めてくださ
   い。結果はかわりません。
  ◆図2に無限遠点がない
   問題ありません。図2のループC2の積分を計算する過程で、教科書に記載あるとおりz=1/u の変換をすると同じ操作をする  
   ことになります。

  以上の知識と教科書の記載に従えば Jを求めることができるでしょう。興味ある人は確認ください。   
   
      
3.摂動項の考察
今回の題材は非相対論的で出てくる3つの周期は等しく2重に縮退した状態ですが、相対論による補正項や磁場がかかると縮退が溶けて2つないし3つの異なった周期が出てきます。
これを今回の非相対論の結果から摂動論を使って相対論的効果を推論しようと言うもの。。。

当初これについて考察しようと思ったですが、じせつの11章が摂動論なので次々回以降にお話できるかと思います。

今回はこれでおしまい(2015年5月10日)
  1. 2014/04/08(火) 23:45:40|
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完全に変数分離可能な系に対する作用―角変数 (G.10-6  原著第2版)

10-6  完全に変数分離可能な系に対する作用―角変数 (G.10-6  原著第2版)

 皆様、こんばんは。りきがく研です。
今年の冬は暖かいですね。おいさんが住む地方はいわゆる雪国なのですが今年は昨年に比べて雪が少ない気がします。
ただインフルエンザがはやっています。皆さん気をつけましょう。

 さて今週も前回に引き続き作用―角変数についてです。
ただ今回は前回から自由度が増えて変数がいっぱい出てきます。イメージ的には前回は1次元的に振動するおもりの運動で、今回の運動はx、y、zと3次元的に振動するものも取り扱う感じです。
自由度が増えると運動がやや複雑になり、3次元のそれぞれの方向で別々の振動数(= ν i  、i = 1、2、3 )を持つ事が可能で、その3つの振動数の相互関係によってはおもりの運動の軌道が閉じて周期的である場合、そうでない(多重周期的)があります。
ここで運動全体が周期的で閉じているとは、おもりが2次元または3次元のお決まりのコースを決まった時間間隔(=周期=1/ν )Tで繰り返し通る運動を指します。
x、y、z方向の運動の各成分もいろいろな周波数の成分からなり、ある条件が満たされた場合1重周期的しか周期的には成らないようです。
上で述べた運動全体が周期的で閉じているために、多数の振動数が満たすべき相互関係から縮退と言う概念が出てきます。今まで何気に使っていた縮退の定義が明確に成されます。
さらに変数分離の可否まで進みます。

以上の詳しい解説は教科書に委ねるとして、本記事はいつものように私の感想(=解釈)を中心に記載していきます。

多重周期的、一重周期的であるとは
1ヶ月くらいご無沙汰してましたね。やっと時間が取れました。はともかく、
ここでは一重周期的とか、多重周期的である事と縮退および軌道が閉じていることとの関係について触れたく思います。
一重周期的とは21、2歳で習うFourier級数展開ですね。
Fourier級数展開、ある一定間隔で同じパターンを辿る周期函数 f は sin や cos を使って以下のように表現できると言うものでしたね。

 f(x) = Σ a n sin (ω n ・ t ) +b n cos ( ω n ・ t )、           (1)
 但しΣはnについて取る。
 ω n = n× ω 0            (1’)

一重周期のポイントは、式(1’)で多数あるω n のすべてがω 0 で表せることです。
式(1’)のようにすべての ω n が整数比になっている場合を完全縮退と呼ぶようです。
逆に完全には(1’)の関係が成り立たずに、m個のω n にのみ成り立つ場合はm重に縮退しているとも、多重周期的であるとも呼ぶようです。
 完全縮退している状態は、時間が周期 T(ω 0 × T = 2× π )だけ経過するとすべての成分がもとにもどりますね?Tの間に1回転するものもあれば、2回転するものも3回転するものもありますが皆回転してカチッと元に戻ります。
なぜならω × T = n × ω 0 × T = n × 2π ですから。
時間が T だけ経過すればまた元の場所に戻りと周回を繰り返す状態を軌道が閉じていると呼んでいます。
一方m重縮退だと時間が周期T(厳密には周期は定義できませんが。。。)だけ経過しても元の位置には戻りません。つまり周期的でなく同じ運動を繰り返さないのです。軌道は閉じていません
式(1’)の関係が成り立っている成分についてはカチッと 戻りますが、成り立たない成分のsin、cos の中身(位相と呼びます。知っているとは思いますが)はT× ω n ≠ 2× π だからです。よってT経過しても元の位置には戻らずfはいろんな値を取り得るのです。もちろん他の制限により上限、下限はあるかもしれませんが。

一方、式(1)の、sin (ω n ・ t )、cos (ω n ・ t ) を exp(i・nx)= cos ( ω n ・ t )+i・sin (ω n ・ t )
 で表現する方法もあります。

  f(t) = Σ c n exp(i・ω n t )、                      (2)
   ただし i は虚数、
       
 f(t)は実数、一方exp(i・ω n t)は虚数ですから、c n について条件をつけたりします。虚数表現を用いると、下の補足で示すように算数の手続きが楽になったりしますので非常によく出てきます。
教科書の(10-91)(新版古典力学、下巻、p671、式番号は20年前のもの)も虚数表記です。
(10-91)では変数はtではなく、各変数wになっている違いはありますが。

  q = Σ exp ( 2π i ・ ( j・w+J・w+J・w・・・+J・w) )        (10-91)
  J、J・・・J について和を取ること、
  i は虚数、
  J i は作用変数(10-5 の式(1))ではありません。 
  新版 古典力学(下)第2版、p671、式(10-91)、吉岡図書

縮退と分離可能である事
 上で説明した縮退と分離可能(10-4 )との関係について考察します。
 分離可能であるとは「10-4。Hamilton-Jacobiの方程式の変分原理」の下段で概要を説明しましたが、ハミルトニアン H(q、q、・・・、q、p、p、・・・、p)について、特定の( q 、p ) だけを取り出して関係式を立てることができることを指します。
 分離可能なある( q 、p )の組について式(1’)のようにωは1つしかありません。
だって、だって、方程式は( q 、p )に関して1つだけなので、対応する(、( w 、J )も一つだけ、wも1つだけとなります。
は式(1)の、 ω ・tだから、結局1つの周波数にしかよらず、( q 、p )面上では周期運動をします。
分離可能であれば縮退(って元々周波数が1個しかないのですが)していると言えます。

逆に縮退していたら分離可能といえるでしょうか?
結論は” 言える" と思います。ただ厳密な証明はしんどいですね。
そっけないですが、縮退しているということは今の場合、( q 、p )がただ1つのw に依存するということなので、q とp を結ぶ方程式がハミルトニアンから導けると考えるのが自然です。

ここまでの縮退と分離可能の話は一組の( q 、p )に限りましたが、
運動全体を見た場合は、分離可能だったら縮退しているとは言えないと思います。
それは教科書でも例示してある、3次元の振動子(3次元的に動くばね振動をイメージしてください)の話がそうです。
ばね振動のq、pはx、y、zの成分ごとに分離可能ですが、それぞれのwまたはdw/dt(=ν)の比が整数比でなければ、ばね全体としては周期運動にはなりません。

今回は以上です。次回は本多次元の作用―角変数の理論をKepler問題に応用します。
古典力学から量子論へのイントロです。あと関数論の留数の定理の証明を思い出しておいてください。
     
      
補足 Fourier級数の復習
Fourier級数について式(2)の方が(1)より扱いが簡単ということを a m などの係数の計算を例に示します。

式(1)の a m は以下のように sin (ω ・ t) をかけて一周期で積分すれば求められます。

  ∫ f(x) sin(ω ・ t ) = ∫ Σ a n sin (ω ・ t) × sin (ω ・ t)
                  +b n cos (ω ・ t)× sin (ω ・ t)、
               = ∫ Σ a n ( cos (ω ーω )・t - cos ( ω + ω )・t )/2
                 + b n ( sin (ω n + ω m ・ )・x + sin (ω n - ω )・x)/2、
               =   Σ a n δ n,m ・ π、
               = a n ・ π                     (3)

 b n も求めてみてください。メンドクサイのでここでは書きません。
一方式(2)の係数c m を求める際に下に示すように三角関数の面倒な計算が必要ありません。
あと微分の扱いがd/dx → i・n と簡単であることなどがあげられます。
c m は以下のように求められます。
 
  ∫ f(x)・exp(i・ω t )= ∫ Σ c n exp(i・ω n t )・exp(―i・ω mt )、
              = ∫ Σ c n exp(i・(ω n ― ω m )t
)、
              = Σ c n δ n,m 2・π、
              = c m 2・π                     (4)

式(3)より式(4)の方が簡単でしょ。

以上
  1. 2014/02/02(日) 20:05:48|
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